中小企業診断士【一次試験対策】出題者の変更から対策を考える

中小企業診断士

いよいよ令和4年度の中小企業診断士一次試験まで残り20日を切りました。受験票が届き、最近の暑さに負けない熱さで一次試験対策をされていることと思います。今日は、令和3年度と令和4年度の出題委員の変更という視点から見た一次試験直前対策を考察してみたいと思います。

交代した出題委員

まず、令和3年度と比べて令和4年度の出題委員はどのくらい交代があったのかを見てみましょう(敬省略)。

出)伊呂原 隆(運営管理)、大鹿 智基(財務)、鶴見 祐之(企業経営論) ※科目は予想です。

入)石崎 徹、大久保 寛基、丹下 英明、細海 昌一郎 

と、3名が交代され、4名が加わりました。出題委員は令和3年度の34名から令和4年度は35名と1名増員となっています。3名の交代は、昨年度が8名程度交代していたのからすると少ないです。それでは、今回加入された先生方はどのような方なのでしょうか。

石崎 徹 先生

石崎徹先生は、プロフィールでは『1991年早稲田大学商学部卒業。1998年早稲田大学大学院商学研究科博士後期課程単位取得。同年専修大学経営学部講師。2000年助教授。2006年より専修大学経営学部教授』となっております。

専門は『広告論、マーケティング・コミュニケーション論』というところですので、企業経営論のマーケティング分野で出題されているのでしょうか。最近では『現代広告全書』が刊行されていて、その執筆陣の一員として名を連ねています。副題が『デジタル時代への理論と実践』ですので、デジタルマーケティングからの出題可能性は抑えておいた方が良いのではないでしょうか。また、事例IIを担当される可能性も高いと考えています。

大久保 寛基先生

大久保 寛基先生のプロフィールは、早稲田大学大学院理工学研究科機械工学専攻経営工学システム専門分野博士課程。2012年4月〜2019年3月まで東京都市大学経営システム工学科准教授。科目は運営管理でしょうか。中でもサプライチェーンにおける生産性向上のマネジメント、環境への配慮、といった生産のプランニングは抑えたいところでしょうか。事例IIIでも効率化、標準化、マニュアル化、機械化といった課題のある企業が想像されます

丹下 英明先生

2019年4月より法政大学ビジネススクール専任教員 教授を務めてらっしゃいます。法政大学ビジネススクールは中小企業診断士養成課程もやっているので、中小企業診断士受験生や、合格者のレベルをよく分かってらっしゃる先生と思います。元日本政策金融公庫の経歴も持ち、中小企業戦略論、創業・ベンチャー起業論を担当されているようです。一次試験では企業経営論でしょうか。特にM&Aやベンチャー企業における死の川系のポイント、あるいはキャズムみたいなところは押さえておきたいですね。

最近ではJETRO「2021 年度地域団体商標海外展開支援事業案件選考審査委員会」委員 (令和3年6月まで)を務めており、中小企業の海外展開にも強みを持ちます。そうなりますと、企業経営論だけでなく、経営法務、中小企業政策にも関わるかもしれません。海外でも中国の模倣に対しては、商標で叩く、というセオリーがありますので、商標絡みのポイントや、みんな苦手な英語問題なども商標からみでくるかもしれません。中小企業政策ではやはり日本政策金融公庫の支援事業や、事業承継、再生支援がポイントでしょうか。

細海 昌一郎先生

1998年、早稲田大学大学院商学研究科博士後期課程単位を取得され、現在東京都立大学の教授をされているようです。専門は管理会計論、財務情報分析論で、科目は財務でしょうか。経済経営学部ということで、経済にも関与されているかもしれません。財務では原価計算、のれんや連結決算あたりは押さえておきたいですね。どちらも図を描けばどのような問題にも対処できるので、しっかり図が描けるようにしてみてください。

まとめ

昨年の経営情報システムのように、出題委員の先生が代わることで、ガラリと問題の傾向、科目の雰囲気が変わります。一次試験は二次試験と違って自分の出来だけで合格できる試験です。少しでも出題傾向が分かれば直前対策もしやすくなります。ぜひ万全の体制で当日を迎えてください。

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