文系もわかる!統計検定2級公式問題集解説(4)

中小企業診断士

確率の分野 問2「ベイズの定理」

 ベイズの定理。確率を学習すると必ず出てきます。しかも結果から原因を求める、という通常と逆の発想、どの事象をA、B、Cとするかがわかりにくい、公式の記号も紛らわしい…つまずきポイント満載です。

 この問題では、工場A、工場Bで製造されるクッキーのうち、一定割合でカモノハシのクッキーが入っているという設定です。そして、カモノハシのクッキーが入っていた時、それが工場Aで作られた確率はどれですか、というのを求めます。

解説

言葉で覚えるベイズの定理

 ベイズの定理の公式は統計検定2級公式問題集を見ていただくこととして、ここではいかに簡単な表現ができるか、ということを目指してみます。

知りたいこと=そのグループがどれくらいの確率でこの結果を作り出したか(頑張りの割合)/全体の中でその結果が起きる確率(全体の頑張りの割合

となります。

言葉で覚えたベイズの定理を実際に当てはめてみよう

分子を当てはめてみよう

 知りたいことは「カモノハシのクッキーが入っていたとき、それが工場Aで作られた確率」です。

問題文の通りだね。

 分子の「そのグループがどのくらいの確率でこの結果を作り出したか」とは「工場Aでカモノハシのクッキーを製造する確率」です。これは「全体の仕入れの中から工場Aでクッキーが製造され」しかも「カモノハシのクッキーが製造される」確率と言えます

 全体の中から工場Aでクッキーが製造される確率は70%なので0.7、工場Aでカモノハシのクッキーが製造される確率は2%、0.02です。これを掛け算した0.014が分子になります。

分からない場合は中小企業診断士のストレート合格率で考える

 先ほどの掛け算の式は、公式問題集の解説にある分子部分のP(A∩C)=P(C/A)×P(A)のことを言っています。

「なぜ工場Aでクッキーが製造される確率と工場Aでカモノハシのクッキーが製造される確率を掛け算するの?」

と疑問になる方は、中小企業診断士に1年でストレート合格する確率を計算するときの方法を考えるとしっくりくると思います(たぶん診断士受験を考えている方、挑戦中の方が見ていると思うので。。。)

 中小企業診断士を1年でストレート合格する確率は約8%と言われています。これは「ある年の中小企業診断士1次試験に合格し」しかも「その年の2次筆記試験に合格する」確率です。中小企業診断士1次試験に合格する確率は約44%(=P(A))です。そして、2次筆記試験に合格する確率は18%(=P(C/A))です。

ちなみに、P(C/A)のスラッシュは「When」(~のとき)と訳すと分かりやすいです(C When A:Aの時のC)。

 全体(100人)のうち1次試験に合格する人は100人×0.44=44人。この44人しか2次試験を受けられず、合格率18%ですので44人×0.18=7.92人、約8人ということになります。

カモノハシのクッキーもこれと同じ理屈なので、工場Aでクッキーが製造される確率と、工場Aでカモノハシのクッキーを製造する確率を掛け算するのです。

分母を当てはめてみよう

 分母は、全体の中でその結果が起きる確率でした。その結果とは、カモノハシのクッキーを製造する確率です。全体の中とは、工場Aと工場Bのことです。

 工場Aでカモノハシのクッキーを製造する確率は0.7×0.02でした。同じように工場Bでカモノハシのクッキーを製造する確率は0.3×0.08です(問題文より、工場Bからの仕入れは全体の30%、工場B製造のクッキーにカモノハシのクッキーが入っている確率は8%なので)。分母はそれぞれを合計した0.014+0.024=0.038になります。

解答&まとめ

 先ほど求めた分子と分子から、0.014/0.038=0.3684となり、解答は2ということになります。

 記号だとわかりにくいベイズの定理も、言葉にすると分かりやすいですね!本番でもカモノハシクッキーの事例を頭の片隅において、サクッと正解を求めましょう!(クッキーだけに)

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