【令和6年度版】まとまった時間がなくても!宅地建物取引士資格の独学勉強法

中小企業診断士

みなさまこんにちは。社会人になると、とにかくまとまった勉強時間を確保できないことが多いですよね。ただ、毎日少しずつ、狙っている試験に合った正しい勉強方法を知ることで国家試験にも独学で合格できます💯今回は、令和4年10月16日(日)に実施された宅建士試験に合格した際の勉強方法、利用した参考書などをご紹介します。

宅建士試験とは

試験の合格≠宅建士

まず、宅建士試験ですが、宅建士とは「宅地建物取引士」の略です。宅建士になるには、まず「宅地建物取引士資格試験」に合格する必要があります。これに合格すると、不動産取引の専門家である「宅地建物取引士」に登録するための資格を得ることができます。

試験に合格しただけでは宅建士と名乗ることはできず、「宅建士試験合格者」になるだけです。

実際には不動産取引の実務経験の有無でその後の手続きに違いがありますが、「登録実務講習」「法定講習」を受け、宅建士証の交付を申請することで、ようやく宅建士と名乗ることができます。

試験合格の有効期限と毎年の合格者

一度試験に受かればその効果は一生有効ですので、試験だけ合格したままの方もかなり多いと思われます。

合格率

そんな宅建士試験、合格率は概ね13%から18%で推移しています。受験者数は毎年20万人超が受ける試験ですので、新しい宅建士試験合格者が毎年3万人程度誕生していることとなります。

配点、合格ライン、出題範囲

試験はマークシート式で1問1点。合格水準は難易度により34点~38点程となっています。

令和4年度は36点が合格ラインとなっています。TACのデータリサーチの分布は次のようになっています。

これは3,200人くらいのデータですが、これを見ると37点かな、と思っていましたので、妥当なラインなのでしょう。合格率は17.04%でした。

なお、令和5年度試験は合格点36点、合格率17.2%であり、令和4年度とほぼ同じだったことが分かります。

出題範囲については「宅建業法」「権利関係(民法とか)」「法令上の制限(都市計画法とか)」「税・その他」の分野から出題されます。

そんな宅建士試験の独学方法です!

利用した参考書

本屋に行き、分かりやすく、視覚的にもとっつきやすいモノを

平日は仕事があり、休日はなかなか自分だけの時間が作れないため、今回も独学で挑戦することにしました。メインで利用したのは「みんなが欲しかった!宅建士の教科書」「みんなが欲しかった!宅建士の問題集 本試験論点別」というTAC出版から出ている参考書と問題集です。

この2つにした理由は、参考書がカラーであり、図が多かったこと、表現が比較的分かりやすく書かれていたことに尽きます。

分野別に切り離すことができるのは、なるべくきれいに使いたい派の私にとっては特に魅力に感じませんでした。

実際に毎日鞄に入れておくと結構重さを感じたので、途中から切り離して分野ごとに持って歩くことにしました笑。今となっては切り離せることも重要なポイントかと思います。

試験直前対策には『あてる』

そして最後に、やはりTAC出版の「あてる 直前予想模試 宅建士」を購入しました。

この本は、試験日4直前の水曜日、10月12日の夕方に買いました。メインで使っていた問題集だけでよいか不安になり、予想問題が4回分掲載されているので試験まで1日1回やれば全部できることと、「あてる」の意気込みに惹かれました。。。

試験4日前の夜買った証拠(?)のレシート。

勉強方法

参考書はとにかく1周読み切る

まず、参考書を1周読みました。宅建の参考書はボリュームがあります。

どの試験でも言えることですが、じっくり読もうとするととても時間がかかり、しかも覚えられないため、モチベーションが下がります。

分からない部分があっても立ち止まらず、参考書は最後まで読み切ることが重要です。

私自身、行き帰りの電車内や早めに会社に着いて平日は毎日1時間程度時間を取るようにして、最後まで読み進めることを重視しました。

読み終わった!という達成感は、試験勉強を継続する上でとても大切です。

インプット、アウトプットは同時並行

そのあとはひたすら問題集を解きました。問題集は、見開き左が問題、右が解説となっています。解説は、なぜ違うのかや、なぜ合っているのかが書いてあるため、インプットとアウトプットが時差なくできるためよかったです。

紙面の関係上、問題集の解説はあっさりしています。そんな時は参考書を併用して、インプットを強化しましょう。

あまりノートに書くようなことは無かったため、暗記カードをめくるような感じで何周もしました。

語呂も大事、図起こしはもっと大事

あと、ゴロ合わせはネットに転がっているものを覚えましたが、ジャンルでいくと次の通りです。

「宅建業者名簿の記載(変更後30日以内に届け出が必要)」「宅建士資格登録簿の記載事項(変更後遅滞なく届け出)」「37条書面(必ず掲載、あれば掲載)」「35条書面」「建築確認」「固定資産税(免税点)」

ゴロではなく、図にして覚えたのは次のものです。

「都市計画関係で、用途地域指定可否、開発許可、事後届出」を面積関係、高度地区と高度利用地区指定可否、地区計画の指定可否、をまとめました。

民法も図に起こして考えるクセをつけてください。民法は、根底に『基本お互いフェア』という考え方があります。

つまり、当初はお互いフェアな状態であるべきものが、何か起きたことでフェアじゃなくなる→じゃあどちらを保護するの、という発想です。

参考書でも、必ず登場人物とその関係が図で表され、解説されています。自身で関係を図で描けるようになれば、根拠立てて判断することが可能になり、定着が早いです。

宅建士試験の肝

日々の問題集の繰り返しで、過去問の問題も自然とこなすことができますが、試験前になり「同じ問題ばかりやっているから、正解の選択肢を覚えただけではないか」ということで、直前になって「あてる」を買うことにしました。

結果的にこれが宅建士試験の肝を理解するに至ることになりました。

宅建士試験は材料出尽くし?

この試験は、出題範囲(分野)としては比較的限られていると言えます。

おそらく試験問題としては一通り出尽くした感があり、ひっかけ問題で例年に近い難易度を調整していくという感じがあります。

問題文をサラッと読んだり、選択肢を全部見ないで「あぁ、これだわ」みたいに丸をすると、わずかな違いに気が付かずに失点します!

素直な参考書、いじわるな『あてる』

参考書で言えば、本文中の記載ではなく、むしろ「※」とか「ちなみに」みたいな、フォント小さめで書いてあるところが出やすいです。また、「署名」でOKなところ「署名捺印が必要」などといった選択肢の場合、一回引っかかっておかないと本番中の環境下では「捺印はあっても…いいよね?」みたいに陥る選択肢が多いです。

そういった意味で「あてる」はもっともらしい選択肢が「×」になっていたりする、厄介な予想問題集です。その代わり、意地悪な分、よく記憶に残ります笑。

4回分あり、目標点数(合格レベル)がそれぞれ書いてありますが、それぞれ1回ずつやった結果、第4回でようやく目標点数に達することができました(ギリギリ)。

試験当日

最後はやっぱり参考書!

試験当日は、午後1時から3時の試験でしたので、11時半過ぎに会場に到着しました。12時半に集合でしたので、会場の外で食事をしつつ、参考書を読みました。ここまできたら、正しいことだけが書いてある参考書を読むのが一番です!

試験時のルール

試験は途中退出ができません。ひっかけ問題が多いので、じっくり問題を読み、途中の選択肢が明らかに正解だと思っても、最後まで読んでください。途中退室ができないので早く帰ることはできないですし笑

携帯やタブレット端末、ノートPC等の電子媒体は、配布される茶封筒に入れてから、カバンにしまう必要があります。剥き出しでカバンにしまうだけではアウト‼️とのことです。

水筒はNGだけどペットボトルは机に出してOKみたいな試験はありますが、茶封筒を配布されたのには驚きました。

試験中、権利関係(民法)は登場人物が多いこともあるので、必ず絵に書いてみることが大切です。参考書でも図が多かったため、マネして書いてみることで、意外と難易度が低い問題だった、と思うことがありました。

そして、自己採点では一度も取ることができなかった39点を取ることができました!

まとめ

宅建士試験は「参考書→問題集→参考書&問題集併用」の組み合わせで言葉や出題方法に慣れていきましょう。

ひっかけ問題や、テキストに載っている「※」「ちなみに」的なフォント小さめに掲載されるところが出るので注意しましょう。

「あてる」は直前期にやって、一回出題者の意向通りに引っかかっておきましょう。

権利関係は試験問題の余白に図を描いて整理しましょう。

これから受験される方の参考になれば幸いです。

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